インドの宝石 ダイヤモンド

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Nityaニーチャスタッフのchieです。

 

今回はナワラトゥナ(ナヴァラトナ)との関係が深い、インドのダイヤモンドの石物語をいくつかご紹介します。

 

宝石の王様ダイヤモンド。

 

ナワラトゥナ(ナヴァラトナ)の9つの宝石の1つで金星を表す宝石がダイヤモンドです。

 

現在のダイヤモンドのほとんどの産地はアフリカなどになりますが、以前はインドが世界で唯一のダイヤモンドの産地でした。

古代、インドからヨーロッパへと持ち込まれたダイヤモンドはどこから来たのか知られておらず、そのことから物語や伝説が多く誕生したのだそうです。

 

 

 

 

ダイヤモンドの谷の伝説

 

紀元前4世紀までさかのぼると、ダイヤモンドがたくさん採れる「ダイヤモンドの谷」があったとされる有名な物語があります。

 

「ダイヤモンドの谷」は黒海の北方の砂漠にあるとされ、そこのとても深い峡谷の谷底にはダイヤモンドがたくさん落ちていると言われていました。
しかしその谷には人を襲う獰猛な毒蛇やワシがたくさんいて、とても危険な場所として恐れられていたのだとか。

 

ある国の領主がダイヤモンドを手に入れようと危険な「ダイヤモンドの谷」へ無理やり召使を行かせたところ、召使は恐ろしい毒蛇やワシのいる谷底まで行かないでダイヤモンドを採るために機転をきかせたと伝えられています。

羊の肉の大きな塊を谷底へ投げ入れ、ワシがその肉を谷から離れた巣に持ち運ぶ時まで待ち、ワシが巣からいなくなってから肉塊に付いたダイヤモンドを巣の中で拾って領主に届けたのだそう。

 

この伝説によって当時のヨーロッパでは、ダイヤモンドはとても危険な場所にあり、簡単には採ることが出来ないものと考えられたのだそうです。

 

また古代のインドの伝承ではダイヤモンドを持っている人は、蛇、毒、病気、泥棒、水、悪霊などから守られて、まったく危険のない人生を送ることができると言われていました。

この伝承から当時のローマではダイヤモンドはタリスマン(護符、お守り)としてとても人気高かったと伝えられています。

 

インドの貴重な宝石ダイヤモンドがナワラトゥナ(ナヴァラトナ)の9つの宝石に選ばれたのは、こういった起源もあるのかもしれませんよね。

 

 

世界で最も古いダイヤモンドの産地

 

インドの神話にはたびたびダイヤモンドが登場します。

神話というとても古い時代の物語にすでにダイヤモンドが登場していることからも、インドでのダイヤモンドの歴史が長いことがわかります。

 

1726年にブラジルでダイヤモンドが発見されるまで、インドは世界唯一のダイヤモンドの産地として世界で君臨し続けました。

 

ダイヤモンドの重さの単位を「カラット」と言いますが、それはインド南部の民族であるドラヒダ族がダイヤモンドの重さを量るために天秤のもう一方の皿にカラットと呼ばれる木の実を乗せたことが起源だと言われています。

 

インドのドラヒダ族はなんと紀元前7〜8世紀という時代からダイヤモンドをさまざまに利用してきたと言われています。

 

 

またインドにはダイヤモンドの誕生の神話も多くあります。

きっと古代の人々は地中から現われる、とても美しいダイヤモンドに神秘的な想像をたくさんしたのでしょう。

 

霊薬アムリタから生まれたダイヤモンド

 

インドの神話の世界では、人々と魔族と神々は一緒に暮らしていました。

魔族の阿修羅(あしゅら)たちの勢力が大きくなり、神々の権力を脅かすほどになった時に、神々の頂点に立つヴィシュヌ神が魔族に「霊薬アムリタ」を一緒に作ろうと提案します。

「霊薬アムリタ」はとても貴重なもので、永遠の生命が得られると言われています。

また、広い海にアムリタの材料である世界中の植物とその種を入れてよく混ぜ合わせなければならないので、作るためには神々と魔族の力を合わせた膨大な力が必要となるのでした。

魔族と神々が一緒に霊薬アムリタを作り始めると海は攪拌され、乳白色になり、そこからは様々な宝物が誕生しました。

願いが叶う聖牛、酒の女神、天界の樹木、宝石...

 

この宝石の中に伐折羅石(ばさらいし)という現在のダイヤモンドが含まれていたそうです。

 

 

仏教とダイヤモンド

 

仏教とダイヤモンド?? 

と思う方も多いかもしれませんが、あの仏様が持っている細長い棒の金剛杵(こんごうしょ)は伐折羅石(ばさらいし)で出来ているとされています。

伐折羅石とは、霊薬アムリタから生まれたダイヤモンドです。

 

もともと金剛杵を初めに持っていたのはインドの神様インドラ神。

伐折羅はヴァジュラとサンスクリット語で表され、もともと「堅強」という意味があり、古い時代ではダイヤモンドの価値はその堅強さにあったことを意味しています。

 

ダイヤモンドはこの世の中で最も硬い石。

ダイヤモンドの「自分自身を傷つけることなく、他の物質を傷つけることができる」という特徴から

「御仏の智慧はあらゆる煩悩を打ち砕き、どんな煩悩によっても損なわれない」という仏様の持ち物となったのだと言われています。

インドから様々な神さまが日本へ渡っています。

なんと日本の七福神のうち3人はインドの神様です。

シルクロードを渡ってインドから中国へ日本へと仏教が伝来し、仏さまの持ち物も金剛杵(こんごうしょ)となっていったのかもしれません。

 

 

そういえば、4月の誕生石もダイヤモンドでしたね。

ダイヤモンドというと希少性が高く高価なものなので、遠い世界の宝石のように感じますが、古くからアジアの宝石として仏教にも通じていました。

 

ナワラトゥナ(ナヴァラトナ)もインドやスリランカで特に有名なお守りジュエリーですが、日本やお隣の中国でも9つの惑星は9曜として、対応する石や9曜の家紋などがあったと言われています。

 

ダイヤモンドのように、ナワラトゥナ(ナヴァラトナ)の星と私たちの考え方もシルクロードを辿って日本にも届いているのだと思います。

 

 

 

Chie

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