こんにちは、Nityaニーチャスタッフのchieです。
只今、ナワラトゥナ(ナヴァラトナ)を辿る旅をしています。
ナワラトゥナ(ナヴァラトナ)とは、アジア全般に伝わる「9つの星」が人に与える影響をより良い方向へ導くと言われる「9つの宝石」で出来たお守り。
また9つの宝石で出来ていることからナインストーンとも呼ばれています。
日本でも「9つの星」を九曜といって、この九曜を家紋に掲げている姓の方もいらっしゃいますよね。
インドでは今もこの古からのジュエリーであるナワラトゥナ(ナヴァラトナ)をつけていらっしゃる方がたくさんいます。
インドもまたナワラトゥナ(ナヴァラトナ)の今も息づく場所なのです。
ナワラトゥナ(ナヴァラトナ)は元々はジョーティシュの星読みから生まれたお守り。
星を読むことから暦ができ、農耕が始まり、文明ができたと言っても過言ではありません。
そこで今回はその星読みの施設、インドのジャイプールにある今から300年程前に作られたインド最大の天文観測施設「ジャンタル・マンタル(Jantar Mantar)」のご紹介をさせていただきます。
ジャンタル・マンタル
世界遺産でもある、このジャンタル・マンタルはサンスクリット語で「観測する道具」という意味。
ここジャイプールのマハラジャで、天文学者でもあったサワイ・ジャイ・シン2世が18世紀初頭に建てたこの施設は、自宅の横に天体観測の道具を置く場所を設けたといった感じだったのでしょうか…。
道具置き場にしては壮大な施設ですよね。
これは最も大きな太陽を観測する日時計で2秒まで測ることができます。
どういうことかと言うと、
この高台の横には、椀状の翼のようなメモリが付いた建造物があって、この高台によって出来た太陽の影が2秒後に1メモリ分動くのです。
細かいメモリの幅が1つ2秒を表しています。
この高台の角度は27.56度。
このトップにある建物は北極星のポイントになるように建てられているのだそう。
ちなみに日本の明石から見た北極星への角度は35度です。
簡単な日時計は何世紀も前から存在していましたが、サワイ・ジャイ・シン2世は、当時の時を刻む基本的な道具に改良を加えて、天体の赤緯や他の関連した座標を測定するための精密な機器に改良し、この建物を完成させたのだそうです。
当時のインドの暦や天文表がとても不正確であり,天文学の分野において進歩がほとんど見られないことに不満を持ち、天体の新しい表を作成することにしたのだとか。
太陽は1年の中で半分が南半球、そして半分は北半球側にある。
そうして1年がある。
こちらは南半球にある時に使用する観測器具。
この真ん中にある小さな棒の突起が影を作り情報をもたらします。
こちらは北半球のもの。
今は北半球に太陽があるのでこちら側が使用されます。
写っている方はガイドさんなのですが、とても日本語がお上手。
熱心にこの施設のことを教えてくださいました。
これは太陽や月、その他の惑星の動きを記したマンタル(道具)。
使う時は回天させて使用するのだそう。
この円になっている部分には、星の位置が記されています。
これは星座と惑星の移動する位置を記したマンタル(道具)です。
太陽が南半球側にある時と、北半球側にある時とを分けて2つあります。
世界中から天文学の蔵書を取り寄せてこの施設を作り出したのだそうですが、
望遠鏡がなくても、今でも正確に星の観測ができるのだそうです。
この施設で観測していた星は7つ
ナワラトゥナの「9つの星」とは、これに日食と月食を加えたもの。
つまり2つは星ではないのですが、太陽と月の重なった時の現象を新たな特別な星と決めたのです。
12星座の位置が観測できるマンタル(道具)もここにそれぞれ設置されています。
この斜めの建物部分の角度が星座それぞれで違っています。
中にどの星座のマンタルなのかがイラストでわかるように記してあるのですが
このイラストがかわいいですよね。
これは今地球上のどの位置を太陽が通っているのかがわかるマンタル。
大まかな時間もわかるようにメモリが打ってあります。
こちらも日時計です
こうして施設を見てみるとサワイ・ジャイ・シン2世が様々な計測方法を複合的に行って、真理を導き出そうとしていたのがわかります。
考え深い人たちは空を眺めて、この地球の上に広がり、昼と夜をもたらす宇宙の世界を理解しようとしてきました。
初めて夜瞬く美しい星たちが毎日同じ場所にないことに気づいた時、
どんな気持ちになったのか…
これからも人は天を仰ぎ見て、この神秘的な世界に関する知識を得るための探求を続ける…
この施設は宇宙の神秘を解き明かそうとしたロマンあふれる場所。
こうして得た正確な歴や時間、星の位置は今の星読みにも生かされています。
Chie